劇場版「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」感想
結論から言えば期待をかなり上回る出来でした。
あの読みにくい冨野監督の文章をよくぞここまで映像化してくれたと思います。
そしてギギ・アンダルシアという癖の強すぎるキャラクターを30年も前に生み出していた冨野監督の技量に感服するとともに、演じきった上田麗奈さんに敬意を表したいと思います。
しかしながらその強すぎる癖により、この作品を受け入れられるかどうかという点にかかわってきますので、ギギを受け入れられない人にとっては苦痛でしかないでしょう。
また、前提となる情報が全くと言っていいほど(例えばクェスって誰?という点など)説明されないので、映画じゃなくてOVAの劇場公開だよなぁというのはぬぐえません。
ですので、やはり一般層には(もとからですが)ガノタにとってはいい作品という評価になります。
冒頭として公開される部分。
前にも書きましたが、小説版でカボチャマスクに名前を確認されるシーンで名乗らず、OP前の最後のセリフにする演出がいい感じ。
ギギがもうギギをやっている点もポイントが高いです。
OP
やたらかっこいいα・アジールが気になります。
本編でもっと活躍していてくれたら…
偽マフティーの襲撃
彼らの正体は次回で明らかになります。
メイスフラウワーがやたら、色気を持っていますが、彼女の活躍も次回‥ですが現代のコンプラ的にカットされる可能性もあります。
キャラ付けには大事なシーンですが本筋にはあまり関係ないシーンですので‥仮にカットされなくてもセリフは変わる可能性があります。
ゲイス・H・ヒューゲスト
旧ハサウェイ役の佐々木望さん。
ループものだったらこの人が真のハサウェイで、主人公のハサウェイは自分をマフティーと思っている異常者というオチ。
もちろんそんなことにはなりません。
ハサウェイとギギ
いい意味でも悪い意味でもギギという人間性がよくでているシーン。
本当に合わない人にはとことん合わないと思います。
カードの確認をしていたおじさんがソリティアをやっているのが無駄に印象的。
マンハンター
ユニコーンに出てきたダグザもマンハンターの所属でしたが、どうも不法居住者を取り締まっているイメージがわきません。
逆シャアの冒頭に出ているのもマンハンターはがっつり業務を行っていましたが・・・
作品的には閣僚ばかりを相手にしていて、足元のマンハンターを野放しになっており、自分たちの行っているテロ行為との矛盾にハサウェイが気づくとても大事なシーン。
明後日のこともわからない人間に千年先のことを考えた行動がもたらす行為に意味はあるのか。
「例外規定があるから人は不正をするんだ」というセリフはとても重い。
ハサウェイとケネス
「シャアの反乱の時にガキのくせに一機撃墜」というケネスのセリフ。
このセリフは小説版から特に変更のないものですが、映画版の「逆シャア」ではハサウェイのスコアは味方のチェーンのリ・ガズィのみ。
これが撃墜スコアとして記録されているとは考えにくいため、やはり本作はα・アジールを撃墜した小説版「逆シャア」の続編ということでしょうか?
市街戦
作画が大変なためガンダムでは貴重な市街戦。(ニューホンコンくらい?)
さらに劇場版クオリティかつ、パイロットではなく市民目線とたぶん初、本作でも個人的には一番の見どころ。
画面が暗いのが残念ですが、おかげで最後の火花の美しさでカタルシスを得られるので判断が難しいところです。
また、狂ったように叫ぶギギとか新たな一面を見せ、視聴者になんだこいつという印象をさらに与えてきます。
ペーネロペー登場時の音は何の音でしょう?
レーン
実はこれが初の実戦。
設定的にも人柄的にもやっていることは主人公なのですが、テロリスト側が主人公なのでかわいそうな子。
一応最終的にはハサウェイに迫り、作戦込みで勝利するので…なおさら、主人公っぽいですね。
彼を主人公にしないあたりが物語の面白さかもしれません。
キルケ―部隊
「決めたZE!」という言い方や、報告に来た連邦兵のしゃべり方と和やかなシーン。
幸運の女神と初めて呼ばれるギギ。
マフティーに合流するハサウェイ
最初に公開された海岸に座っているPVはここだったのか…
船の少年の自然に対する会話がカットされているのは残念。
マンハンターのシーンでやったからこれ以上はいらないという判断でしょうか?
ケネスとギギ
ケネスはギギをマフティーと疑っていますが、映画版では家が無人だったこと以外に言語化されていません。
ちょっとした会話からハサウェイを疑ったりケネスの有能さが光ります。
――目の前にマフティーがいるのに気づけなかったのは置いおいて、ガンダムには珍しい人格的にも能力的にも最後まで優れた人物です(メンタルがちょっと傷つきますけどね)。
ガウマンの尋問
津田健次郎さんの演技が光るシーン。
自分をマフティーと言って処刑しても誰も信じないというセリフはカット。
いきなり頭を殴っちゃダメとダークナイトでジョーカーが言ったように、尋問してからテーブルに頭をぶつけていました。
すごく痛そう。
自分が生き残るためにレーンにMS操作を指示するシーンはほほえましいです。
ノーマルスーツを着用せずにミノフスキードライブ搭載機のコクピットにいたり高高度から飛んだり強化人間のようなガウマン。
ΞVSペーネロペー
今回の見せ場…ですが画面が暗すぎるのが残念。
初戦はこんなにペーネロペーあっさりやられてかなぁ?と思い小説版を読み返したらこの通りでした。
ビームの表現はユニコーン同様に熱戦のようになっています。
ケリア・デース
地味ですしあんまり出番もありませんがハサウェイの恋人です。
声が早見沙織さんでびっくり。
最近健康ガンダムに出てますね。
導入としてはこの上ない第一話。
次はいつになるのか…