ガノタのチラシの裏

ガンダムについて思いついたことを気ままにかいています。

Frozen Teardrop 連鎖の鎮魂曲Ⅲ

これまでのまとめ
 舞台はMC(マーズセンチュリー)0022。しかし、主人公(と思われる)キャシィが過去のファイルを見る、と言う形で過去のパートが存在する。最初のエピソードである「贖罪の輪廻」においてはトレーズの過去が書かれた。次のエピソードである「連鎖の鎮魂曲」においてはゼクスの過去が書かれるかと思われたが、Ⅱまででは書かれていない。次の章以降に持ち越しか?
 MC(マーズセンチュリー)というのは火星暦のこと。公転周期の関係で、アニメ版Wガンダムで使われていたAC(アフターコロニー)という年号のおよそ2年分がMCの1年分にあたるらしい。ACに換算した年号がわかっていないため、MC0022がACでいうと何年なのかは現時点では不明。だが、MCの1年がACの約2年ということは単純に計算して44年が経過しているということである。TV版開始時点のAC195年でヒイロ・ユイらは15歳。Endless Waltz終了時点のAC197年でプラス2年。(そんなことはあり得ないと思うが)その次の年からMCになったとしてプラス44。すなわちどんなに若くても5人の少年たちは61歳である(正確には後述の理由でヒイロだけは違いますが)。この時点でショックを受けて読むのを止める人がいても私は驚かない。
 MC0022にはTVシリーズの少年たちに酷似したキャラクターが多数登場している。そしてそれらの登場人物は「デュオ・マックスウェル」などかつてのガンダムパイロット達と同じ名前をしている。これらが何を意味するのか現時点では不明だが、それによって、かつて登場人物の成長した姿なのか、それとも同じ名前の新キャラクターなのかがわかりにくい。というか、この点でミスリードを誘われている気がしないでもない。
 Endless Waltzのラストは

AC197年
人々の元に平和は戻った
そして、
その後の歴史の中でガンダムを含むMSという兵器の存在は
二度とその姿を現すことはなかった

というナレーションで終わっている。しかし、「連鎖の鎮魂曲Ⅰ」においてMC0022でMSが存在している。この矛盾をどうするのかが個人的には一番気になるところである。全くなかったこととするのか、それともMC0022そのものになにか裏があるのか。



MC0022の登場人物
キャシィ・ポォ
 准佐。地球圏統一国家・大統領の秘密情報部『プリベンター』所属。サリィ・ポォの娘らしいが父親は現在不明(五飛?)。彼女が過去のファイルを見ると言う形で過去の話は進行している。



ドロシー大統領
 名前のみしか登場していないがドロシー・カタロニアの成長した姿であると思われる。



ファザー・マックスウェル
 アニメ版のデュオ・マックスウェルの成長した姿。



デュオ・マックスウェル
 ファザー・マックスウェルの息子。母親は不明(ヒルデ?)。『魔法使い(ワーロック)』のパイロット。



老子・張
 アニメ版の張・五飛の成長した姿。



ヒイロ・ユイ
 冷凍カプセルで冬眠していたため、見た目はアニメ版のヒイロ・ユイと変わらない。そのため、カプセルに入ったのはEndless Waltz終了からあまり時間が経っていないと思われる。『白雪姫(スノーホワイト)』のパイロット。



ドクトルT
 アニメ版のトロワ・バートン(偽物)の成長した姿。



名無し(トロワ・フォボス)
 アニメ版のトロワ・バートン(偽物)にそっくりな姿の少年。火星の初代大統領ミリアルドを暗殺後、ドクトルTとカトリーヌらと行動を共にすることになり、キャスリンから訓練を受ける。



キャスリン・ブルーム
 ドクトルTから「姉さん」と呼ばれている。名無しの見立てでは40代にも30代にも見えるらしい。挿絵もあったが若すぎる。おそらくアニメ版のキャスリンの成長した姿。しかし、記憶を失っていたときはともかく、どうしてドクトルTが「姉さん」と呼んでいるのかが気になる。確かにトロワ・バートン(偽物)がキャスリンの本当の弟説とかあった気がしますが、確定されてはいなかったはず。やっぱ別人?



W教授
 アニメ版のカトル・ラバーバ・ウィナーの成長した姿。



カトリーヌ・ウード・ウィナー
 カトルの妹。TV版のカトルの設定では29人の姉がいることになっているが妹がいるということはなかったはず。また、性別が女性になっておりデュオ、トロワそっくりなキャラクターが新キャラクターとして登場している中では若干異質なキャラクター(もっとも性別が異なるだけで見た目はカトルそっくりなことに変わりはないが)。試験管ベイビー。「プロメテウス」を奪い逃走。火星全てをサンクキングダムにする(完全平和主義?)ことが目的らしい。ミル・ピースクラフトに惚れている様子。……名無しに惚れるんじゃねーのかよ。
 『セント・ミネルバ学園』でいじめられていたころから、宇宙に『心』があると思うようになった。カトルの有名な意味不明台詞『宇宙の心』を受け継いでいるようだ。



リリーナ・ドーリアン(リリーナ・ピースクラフト
 ヒイロと同じく冷凍カプセルの中に入っていたが、ヒイロより先に目覚めていた。しかしゼクスのファイルのみで覚醒したため変わってしまったらしい。第二代火星連邦政府大統領。彼女を殺すことが今回のヒイロの任務である。



ミリアルド・ピースクラフト
 初代火星連邦政府大統領。『名無し』により暗殺された。



ルクレツィア・ノイン(ルクレツィア・ピースクラフト?)
 ミリアルドの妻。ミリアルドが暗殺されることに気づいていた節あり。



ナイナ・ピースクラフト
 ミリアルドとノインの娘。ミルとは双子の姉。ミリアルドが暗殺されることに気づいていた節あり。



ミル・ピースクラフト
 ミリアルドとノインの息子。ナイナとは双子の弟。ミリアルドが暗殺されることに気づいていた節あり。



レディ・アン
 大統領補佐官。



シルビア・ノベンタ
 大使。ノベンタ元帥の娘の成長した姿の様子。



ステラ
 『セント・ミネルバ学園』の生徒。病弱で、『同じ名前の姉』のスペア(重病になった際に臓器移植できるようにつくられたクローン)だったが、『同じ名前の姉』が植物人間となったため、姉から逆に臓器移植を受け健康な体になる。病弱なころはカトリーヌと仲が良かったが、その後はカトリーヌをいじめるようになっていた(おそらく自分がスペアであったことから、似た境遇のカトリーヌを蔑むようになったと思われる
)。『反連邦』を掲げた反乱軍が火星連邦に攻撃を仕掛けてからは出番がないため生きているかも、死んでいるかもわからない。両親は金持ちらしい。

トレーズ・ファイルの登場人物
トレーズ・クシュリナーダ
 彼の出自などが書かれるのがトレーズファイルである。トレーズの名台詞に「聞きたいかね?昨日までの時点で99,812人だ……」というものがあるがこれはアンジェリーナとヴァンが死んでから数え始めたらしい。



ヒイロ・ユイ(英雄)
 コロニー活動家。ドクターJがヒイロ(主人公)の名前をつける際の元ネタとなった人物。



アイン・ユイ
 ヒイロ・ユイ(英雄)の甥。トレーズの父。カーンズとも知り合いだった様子。セプテム少佐により銃殺される。殺されたエリアが『13』出会ったため、トレーズ(フランス語で13)の由来となった。



アンジェリーナ・クシュリナーダ
 トレーズの母。アインの死後精神を病み、サンクキングダムの病院(崩壊後はL-1コロニー)で療養していたが、テロにより死亡。



フンデルト・カタロニア
 デルマイユ・カタロニアの息子。アンジェリーナの後夫、トレーズの義父。



ヴァン・クシュリナーダ
 アンジェリーナとフンデルトの息子、トレーズの父違いの弟。トレーズを敬愛し、兄こそはロームフェラ財団の当主になるべきと考えていた。母アンジェリーナを見舞った際のテロにより死亡。


サンカント・クシュリナーダ
 アンジェリーナの父。



セプテム
 アニメ版のオペレーション・デイブレイクによりレディアンに殺されることになる将軍。コロニー監視官少佐としてアインを銃殺。



アディン・ロウ
 ヒイロ・ユイ(英雄)を殺害したテロリストであり、ヒイロ・ユイガンダムパイロット)の育ての親で本当の父親。



ドロシー・カタロニア
 デルマイユ・カタロニアの孫。幼少期のトレーズにとっては唯一の心を開ける相手だったようだ。



キーリア・カタロニア
 ドロシーの父。



ゼクス・マーキス
 トレーズが選出した5人の士官候補生の一人。25機の『グライフ』輸送任務中にエルヴとともに行方不明となる。トレーズファイルではここまでしか語られていない。



ルクレツィア・ノイン
 トレーズが選出した5人の士官候補生の一人。



イズミ・ターノフ
 トレーズが選出した5人の士官候補生の一人。



ソラック・デルブリュック
 トレーズが選出した5人の士官候補生の一人。



エルヴ・オネゲル
 トレーズが選出した5人の士官候補生の一人。サンクキングダムを滅ぼしたダイゴ・オネゲルの息子で、ゼクスの正体に気づいていた。25機の『グライフ』輸送任務中にゼクスとともに行方不明となる。トレーズファイルではここまでしか語られていない。



アルテミス
 レジスタンスの司令としてトレーズたちと何度も戦う。



アオイ・クラーク
 ヒイロ・ユイガンダムパイロット)の母。OZのシークレット・エージェント。バルジへのレジスタンスの攻撃の際に死亡。



セイス・クラーク
 アオイ・クラークの夫。ヒイロの義父。リーオーの開発をした人物。バルジへのレジスタンスの攻撃の際に死亡。アディン・ロウにヒイロを託す。



ヒイロ・ユイ
 後にWガンダムのパイロットになる人物。トレーズファイルでのめぼしい行動は、アオイから受け取ったウイングゼロの設計図をヴァンに届けたこと、ヴァンとアンジェリーナを殺した人物を撃ったことくらい。ちなみにこの人がヒイロが殺した最初の人物らしい。

 今月は名無し視点かと思いきや、まさかのファザー・マックスウェル視点。
 そのおかげで↑で謎とされていることがいくつか明かされました。
 メインパートはMC-0017。
 そこでファザーがミリアルドから娘のナイナを預かった時の話が書かれていました。
 その時の会話内容がかなり重要でまとめるとこんな感じです。

・火星の大統領ミリアルド・ピースクラフトは本物のミリアルド・ピースクラフトではなく、ディズヌフ・ノイエンハイム
・ディズヌフ・ノエインハイムはノエインハイム・コンツェルン代表取締役社長であり、ルクレツィア・ノインの兄(ただし年は離れている)らしい
コールドスリープ状態のリリーナは本物
ノエインハイム・コンツェルンの依頼でラフロイグ・ピート(ガンマンらしいですが、すぐ殺されましたので名前を覚えておく必要はないでしょう) はエルヴ・オネゲル少佐を殺して「何か」を持ち去った。

 ミル・ピースクラフトは一緒ではありませんでした。
 早速疑問として湧くのは、名無し(トロワ・フォボス)に殺されたのはどちらのミリアルドかということですが、『キュレネの風』と名乗って戦っていると老子・張の台詞がありますので、偽物の方で間違いないでしょう。
 トレーズファイルで行方不明のエルヴ・オネゲルの名前も久しぶりに登場。
 知らぬ間に暗殺されていました。
 「少佐」という階級を考えると、殺されたのはAC195年付近でしょうか(当時のゼクスが連合の少佐と同等の階級であったことから)。





 ナイナを預かったファザーはシュバイカー孤児院に預けに行きます。
 万を持してのヒルデの登場でしたがデュオの影響で言葉使いがかなり悪くなっていました。
 そして結婚しているのかと思っていたのですが、どうやら別れていた(「付き合っていた」とあることから)ようです。
 まぁ。シスターとして働いているようですので仲は悪くないようです。
 『ワーロック』に乗っているあのデュオも登場。
 ヒルデ曰く「(孤児院に)最近やってきた風来坊」とのこと。
 「え?」
 なんとヒルデ、ファザーとは全く関係のないキャラでした(ブラフの可能性ももちろんありますが、ファザーの一人称だからちょっと考えにくいかも)。
 それじゃあ、ワーロックパイロットのデュオ・マックスウェルは何者なんだ?





 最後は少しだけMC-0022になります。
 キャシィがファザーにラナグリン共和国のゼクス・マーキスの正体を尋ねます。
 本人でもクローンでもスペアでも亡霊でも生霊でもないそうです。
 上記のものでないと断言できる理由を「昔、オレの嫁サンが、リーブラっていう戦艦に乗り込んでいったときにな」と答えたところで終わってしまっているのですが……オレの嫁さん!?
 ……どういうこと?
 会話が途切れた原因はそのゼクスの出撃で、ガンダムエピオンでビルゴⅣ三機を従えているそうです。
 迎え撃つ老子・張(張五飛)はエピオンⅡで出撃して今回は終了。
 老子・張がエピオンの後継機で出撃するとは予想外でした。
 一応、右腕はドラゴンハングになっていてシェンロンガンダムの名残はあるようです。
 次回はエピオンVSエピオンでしょうか?
 新しい機体もいいけど、いいかげん設定画を出してほしいと思う今日この頃。





 上で書かなかった年代についてのことですが、ヒントになるようなことが今回登場していました。
 まず、あまり重要ではないかもしれませんが火星は急激な老化現象という風土病があるそうです。
 それによってファザーはかなり老化しているようです。
 そして、MC0017当時はっきりとした年齢は明かされないまでも30代に入ったばかりとのこと。
 あれ?
 上で私がした計算とかなり違います。
 どうやらMC0001はAC195よりも以前のようです。
 つまり、わたしは重大な勘違いをしていたようです。
 MCがアニメ版で出なかったのは単純に火星が舞台にならなかったから、というのはわからなくもないんですけど……
 この場合は私が勝手に騙されていただけ、ということでしょうか?








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