「劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-」 感想 前編
前にも少し書きましたが、内容に不満はあれど、映画としてはちゃんと楽しめますので、TV版の機動戦士ガンダム00をご覧になった方は劇場に足を運ぶ価値はあると思います。
当然ながらネタバレ注意です
アバン
実はトイレに行っていて最初の1分くらいみれませんでした……
ソフトがでたら買うなり、レンタルするなりしようと思います。
整備中のダブルオークアンタにタイトルロゴを重ねると言う、逆襲のシャアと同じ演出だったと思います。
映画ソレスタルビーイング
恐らくTV版を観ていない人に対する、ストーリーの紹介と、ストーリー上戦闘のない序盤で無理矢理戦闘シーンを入れて引きを作るという役割で入れた内容だと思います。
もちろん、初見でこれを観てストーリーが理解できる人なんていないと思いますけど。
敵キャラとして登場した大使(アレハンドロ・コーナー)のテンションが面白かったです。
ガンダムマイスターには女性が混じっていましたが一瞬しか出てませんでした。
個人的に注目したのが、脇に登場していた衛星。
どう見てもアクシズでした。
マリナ・イスマイール、イーリン・バフティヤールのコロニー公社視察
コロニー公社の労働環境は最悪らしいです。
「フロンティア?冗談じゃない。ここはゴミ捨て場だ。」って感じでしょうか?
おっと世界が違いました。
銃を向けられても毅然として、相手と話そうとするマリナが綺麗すぎて怖い。
テーマ上こういうシーンをオープニングに仕込むのはすごく大事だし、TVから一貫してこうなんですけど……
この手のキャラクターってなんとかもっと人間味を持たせられないものでしょうか……
前情報として出ていた、刹那・F・セイエイが最初はガンダム以外で登場というのはこのマリナを助けるシーンでした。
MS形態はフラッグ、MA形態はオーライザーみたいな感じだったと思います。
ミサイルポッドみたいな兵装も持っていました。
デカルト・シャーマンとはなんだったのか?
どう見ても悪人顔、刹那と対立するようなポスター、予告での活躍と敵キャラなのか?という期待にあふれるキャラクターだったのですが、見事に残念なキャラクターでした。
中盤で退場し、ソレスタルビーイングのキャラクターとの絡みは死亡シーンのみというひどさ。
マトリックスのラストで戦ったスミスがオラクル(預言者)だった、みたいなオチのように、最後に倒したELSがデカルトだった、という展開を期待したのですが、本当にただのかませ犬でした。
活躍らしい活躍は、予告編の映像で見れるもの以外ほとんどありません。
イノベイターでない人間のことを「劣等種」と言って馬鹿にしていたことは、全く活かされませんでした。
ある程度の売り上げが期待できるであろうライバル(のように予告では見えた)キャラクターの搭乗機が、MSでなかったのは出番がこれしかなかったからなのか、と思いました。
カティ・マネキンとパトリック・コーラサワー
苗字が変わっていないのですが、結婚したのでは?
「夫婦別性もありだよね?」ということでも浸透させようとしているのでしょうか?
マネキンはかつてリボンズがイノベイター達に支持を出していた部屋を使っていましたが、パソコンを使うためにはソファから降りて床に座らなければならないみたいで、使い勝手が悪そうでした。
脳量子波で会話ができる人以外には、あの部屋を利用するのに向かなそうです。
ELS(エルス)
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↑の説明がわかりやす過ぎて困ります。
だいたいこんな感じ。
宇宙世紀以外の作品でも「木星(圏)≒敵」の公式が成り立つ日がこようとは。
予告では小さいタイプが目立っていましたが、それよりさらに大きいタイプが数種類に、中枢という大きいものもいました。
っていうか普通にポスターに書いてありました。
何も知らなきゃただの惑星だと思いますよね。
ELSが人を侵食するシーンをみて、「蒼穹のファフナー」のフェストゥム、中型(?)の大きさのELSを観て「無限のリヴァイアス」のヴァイアを思い出したのは私だけではないはず。
別にパクリだとか言っているわけではないので悪しからず。
ELSは一種の群体とパンフレットに書かれていました、本編中では意識が統一されている、といいたことも言われていました。
これってイデとか「新世紀エヴァンゲリオン」でSEELEが人類補完計画で創ろうとしていたものに概念としては近そうです。
ELSの個々の意思がどのくらいあるのかわからないのでちょっと違うかもしれませんけど。
ついでにそこまで高尚な存在でもなさそうですし。
アレルヤ・ハプティズムとソーマ・ピーリス(マリー・パーファシー)
モンゴルを放浪していたらしいです。
それにしては格好がきれいすぎますが、浮浪者みたいな恰好で出てこられた方が多分困るのでよしとしましょう。
連邦の基地でELSの取りついた車両に襲われますが、デュナメスリペアに助けられました。
そういえば、デュナメスリペアが出ると言うのはかなり早い段階からアナウンスされていましたね、完全に忘れていました。
その分の驚きでちょっとテンションが上がったシーンでした。
ティエリア・アーデ
途中からは電子の妖精みたいになっていました。
こちらも一瞬で破壊されましたが、4機の新ガンダムで一番わかりやすい活躍をしたのはラファエルガンダムなのではないかと思っています。
ウイングゼロのツインバスターライフルのように回転して大量のELSをなぎ払うシーンは予告で出ていましたが、刹那を助けた腕や、隠されていたセラフィムガンダムの活躍は、まともに戦闘しないクアンタ、とりあえずビーム撃ちまくりだった印象しかないサバーニャ、ハルートと比べるとマシだと思います。
戦闘シーン
内容でこの映画を批判することはできますが、戦闘シーンの映像クオリティを批判することはできないと思います。
間違いなく現代で最高クラスの映像だと思います。
ユニコーンもそうですが、EDで三文字が見えなかったのはうれしいです。
ただ、残念ながら私にとって観ていてあまり面白いものではありませんでした。
以前書いた通りTV版でもそうなのですが、戦闘が「このMSにはこんな装備があるんだ」という紹介にしかなっていないように感じてしまいました。
特に今回は敵が物言わぬ存在なわけで、戦闘中の相手との会話はゼロですので、戦闘のプロモムービー化が加速していたように感じました。
もともと作画の枚数を減らすために戦闘中の会話という手段がとられたのですが、私のようにそれが楽しみになっている側からすると、つまらなく感じてしまうのは皮肉なことだと思います。
やっぱり、「……なんだ!」「違う!……は……なんだ!」みたいな掛け合いが出てくるガンダムが観たいですね。
それにはやはり白兵戦が欲しいです。
また、画面がビームやファンネル(ファング)で溢れることが気になりました。
私もファンネルは大好きなので出していただきたいのですが、申し訳ありませんが作っていただく方は、なぜ冨野監督がファンネルを使うのを途中でやめたのか?、ということをもう一度考えて映像を作っていただきたいです。
最後に、今までで一番MSが人型じゃなくていいんじゃないか?と感じた戦闘でした。
宇宙空間で人型である必要がもともとないのは事実ですし、カラーリングも黒くすればいいという批判はこれまでさんざんされてきましたし、リアリティにこだわるのならば、もっともな突っ込みです。
今回私が言いたいのはそういったことではなくて、戦闘を観ていて、わざわざ群れをなして一つの塊としてやってきてくれているんだから、MSで各個撃破なんてせずに、大量破壊兵器で焼き払えばいいのに、と思ったからです。
宇宙世紀ならソーラシステムやソーラレイなど、00では2期にメメント・モリという大量破壊兵器が出てきました。
あれを数個用意してELSに打ち込めば、よかったのでは?と観ていて思いました。
それなりの距離をとって攻撃できますから、ELSにコピーされる可能性も低いですし、万一倒せなかったとしても、後のMS戦を楽にできたと思います。
コピーされたらたしかにMSより危険ですけど、だからMS使うのをやめようなどという話は一切ありませんでしたから。
まぁ、対話も何もなくなってしまいますし、あの手の兵器は多分もう保有されていないんでしょうけど。
「劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-」 感想 後編 - ガノタのチラシの裏へ続きます
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