第二十一話 「死んだ女房の口癖だ」 感想
前回も書きましたが、私が機動新世紀ガンダムX全体で最も面白いと思う、「ゾンダーエプタ編」が始まります。
地味すぎるガンダムXですが、このエピソードだけは自身を持ってオススメできます。
アバンではいまさらながらの世界観と新連邦解説。
戦後15年。
ようやく環境の安定した地球では、人々はかつての暮らしを徐々に取り戻している。
大規模シェルターによって数万単位で生き延びた人々は、いくつもの小さな独立国家を形作っていた。
世界人口9,800万人。
これは戦前の100分の1にも満たない。
だが、それでもなお、かつての栄光と権力を取り戻そうとする者たちがいた。
政府再建委員会、戦後の地球を統一し、新連邦政府を作るため発足した組織である。
そのメンバーの多くは、旧連邦の政府関係者、軍上層部、産業界のリーダー達であった。
人類がシェルターで生き延びたことや、9,800万人という具体的な数字はおそらくここが初出。
世界中に独立国家がたくさんできているということは、これまで「フォートセバーン」などでほのめかされていましたが、はっきり言われるのは、おそらくここが初めて。
この解説でかなり世界観がわかりやすくなったと思います。
……もう21話で、折り返し地点は超えていますが。
アバンのラストではガンダムDX(ダブルエックス)の設計図が登場。
そしてOPでも差し替えでDXの影だけ登場。
はっきりした全体像はまだ隠されています。
Aパートではフリーデンのシーンを挟み、場面が再び政府再建委員会になり、戦前の連邦本部が南米に会ったことがわかります。
これはもちろんファーストで、地球連邦本部が南米ジャブローにあったことのアマージュです。
「ガンダム一機で世界は動かせん」という台詞も出てくる通り、政府再建委員会内ではDXの開発をあまり重要視していない様子。
私はやっぱりガンダムが一騎当千する世界よりも、ガンダム一騎で「戦術レベル」の状況は変えられても「戦略レベル」では変えられない世界観のほうが好きです。
また「D.O.M.E」の名前もここで初登場。
重要なキーワードなのですがあっさり流されます。
忘れている人が多そうですが、フリーデンは「ローレライの海編」でみたサテライトレーザーの光の出所を探していました。
ナレーションで
ゾンダーエプタ。
委員会の所有する、旧連邦の兵器プラントである。
この人工の島こそジャミル達の探し求めている場所に他ならない。
っと突然のネタバレがありびっくり。
ちなみにこの回終了時点で、フリーデンのクルーは、目的地がゾンダーエプタだとまだ知りません。
シャギアは、上官になるカトックを試すために寝ているところに銃を向けますが、その瞬間カトックは銃をシャギアに向けて発砲。
これでフロスト兄弟に資質ありと認められました。
この辺りはいろいろな映画、小説、漫画なので結構使われるお約束的なシーンなのですが、
ビビっているようにしか見えないシャギアの顔が印象的でした。
このカトック・アルザミールの声は広瀬正志さん。
ご存知、ランバ・ラルの声を担当されていた方です。
キャラクターはラルとはまた違いますが、ガンダムを好きな人が好みそうなオッサンキャラになっています。
新連邦の新量産型MSバリエントも登場。
ドートレスとは大分違ったデザインになっています。
が、後半でほとんどがGXのハモニカ砲の餌食となり、早速のヤラレメカっプリを発揮していました。
合掌。
カトックは漁師の振りをしてフリーデンへ潜入します。
カトック「いやぁ、おいらはここいらで魚取って暮らしてるもんだがよぉ。
さっきオルクの連中に遊び半分で撃たれちまって。
いやぁ、助かったぜ本当ぉ。」
これもファーストで、ホワイトベースにフラナガン・ブーンが潜入するシーンのオマージュになっています。
っというかまんまです。
しかし違うのは潜入がティファの力でバレバレだということ。
同じ展開と思わせておいて、期待を裏切るというのは視聴者側としては面白いです。
ですが、捕虜のいる部屋の扉を開けっ放しにして尋問するというのはいかがなものかと。
案の定逃げられてますし。
カトック以外の捕虜は脱走後オルバにより処分され、カットクは捕まり今回は終了。
次回のタイトルもカトックの台詞「15年目の亡霊」です。
予告のカットでは装甲のついたDXがちらっと見えました。
今回の名台詞:
カトックアルザミール「俺にはいいところが二つだけある。
死んだ女房の口癖だ。
酒を一滴もやらないところ、それとあきらめのよさ、だそうだ。
でも、それより悪いところもあるんだとよ。
それは俺が嘘つきだってことだ。」
機動新世紀ガンダムX 感想 まとめ - ガノタのチラシの裏
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