0096/Final Sect 「虹の彼方に」2 感想
戦闘メインの回です。
個人的に「黒いユニコーン3」と並ぶ面白い回。
アンジェロ・ザウパー
サイコ・ジャマーでユニコーンを妨害するローゼン・ズールですが、サイコ・フィールドの発生により、バナージとアンジェロの邂逅がみれます。
目の前で父親を殺され、レイプされる母親。
その後自分の体目当てで、引き取らされ義理の父に肉体関係を強要され、逃亡した先で男娼婦として過ごした日々がバナージに示されます。
アンジェロもまた、バナージの過去を見ますがその違いに分かり合えないといい、バナージを拒絶します。
邂逅をするものの結局拒絶されというのは、カミーユとハマーンを思い出させます。
そして、ユニコーンを狙ったインコムが回避され、ローゼン・ズール自身を撃ってしまい、ローゼン・ズールは堕ちます。
自爆して終焉を迎えるというのは、カロッゾ・ロナのラフレシアがいましたね。
……実はまだ生きているのですが、バナージ・リンクスとアンジェロ・ザウパーとの戦いはここで終わりを迎えます。
結局、娼婦としてのアンジェロを助け出したのは、フロンタルで間違いないのでしょうが、それがどういった過程で会ったのかは不明なままでした。
フル・フロンタル
アンジェロを倒したバナージの元にシナンジュのフロンタルが現れます。
フロンタル「君は危険だ。ニュータイプのありようを無防備に示しすぎる。
それではオールドタイプの反感と弾圧を招く。君自身も燃え尽きてしまう」
バナージ「あなただって、ニュータイプだろうに……!」
恒例のファーストのオマージュです。
ガンダム00の1stシーズンの最終回でもありましたね。
フロンタルの、それでは〜以降がオリジナルですので福井晴敏さんの解釈と言えると思います。
それ以前にも、バナージはフロンタルのことを「見ているだけ」といいカミーユのシロッコに対していったのと似たことを言っています。
フロンタル「ニュータイプ。それは若さが生む一過性の力だ。
永続はしないし、大局を覆す力にもならない。すなわち――若気の至り!」
バナージ「中年の絶望を押しつけてもらっては、困る!」
すごい返しですね。
昨今のニュータイプ否定論に対する一つの回答でしょうか。
そしてフロンタルとバナージも邂逅をみせますが、フロンタルの中に会ったのは「虚無」。
詳しくは、多分次回語りますが、フロンタルに対しては「器」という言葉だけで完結させていい気がします。
あまりいろいろ深く語ると本質から外れていくと思います。
それが私の考えるフロンタル像です。
クシャトリヤが援護にかけつけ、バナージはフロンタルとの決着をつけぬままインダストリアル7へ向かいます。
まさかフロンタルを倒すのがマリーダだと誰が予想したでしょうか?
4つのバインダーをファンネルとして使い、シナンジュの片腕をもぎ取ります。
あのバインダーがファンネルになるっていうアイデアは面白いですね。
フロンタルを倒したと書きましたが、一応生きていて、ちゃんとバナージと戦いますのでご安心ください。
インダストリアル7へ向かったバナージですが、その道程で出会ったのはリディ・マーセナスでした。
リディ・マーセナス
初代首相リカルド・マーセナスの子孫、地球連邦議会議長ローナン・マーセナスの息子、連れ出したミネバに拒絶された男、リディ・マーセナスの登場です。
リディ「連邦に反逆した貴様たちが、『ラプラスの箱』に近づこうとしている。連邦軍の士官として、マーセナス家の人間として、阻止する義務がおれにはある!」
バナージ「嘘でしょう、リディさん!
あなたはそんなことのために来たんじゃない。≪バンシィ≫から降りて!それは危険なマシーンだ」
リディ「ふざけるな!
なら、おれは何のために来たと言うんだ」
バナージ「オードリーでしょう……?彼女を連れ戻すために、あなたはそんなマシーンに乗って……!」
リディ「……。そうだよな。お前はまだ子供なんだ。言っていいことと悪いことの区別もつかないくらい……」
リディ……かっこ悪いぜ……
そこにアルベルトが現れ、バンシィがついにデストロイモードに変形します。
ところが、そこにミネバも現れます。
ミネバ「リディ、私です。ミネバ・ザビです
あなたの痛みが伝わってくる。もうこんなことはやめてください。戦えば戦うほど、あなたはあなた自身を傷つけている」
リディ「お前のせいだ。
お前はおれを否定した。独りにしないでって頼んだのに、おれの手を振り払った。
母さんと同じだ。みんな自分の都合ばかり言って、誰も俺を助けてくれない。
ミネバ「リディ、それは……!」
リディ「おれを嗤いに来たのか、おまえは!」
かっこ悪い、かっこ悪いぜ……リディ……!
正直初めて読んだときは、涙と笑いが止まりませんでした。
やっぱりユニコーンで私が一番好きなキャラはリディです。
この小物っぷりが最高です。
アルベルト・ビスト
ユニコーンでもう一人の私の愛する小物キャラクター、アルベルト。
サイコフレームを積んだ機体に乗っていた彼もユニコーンとバンシィの邂逅の中に巻き込まれています。
クシャトリヤの接近を察した彼は、
まったく意識していなかったのですが、アルベルトがマリーダの名前を呼ぶのはこの時が初めてらしいです。
再調整をしたときはプルトゥエルブでしたから、言われてみればそうです。
そして、そのマリーダは錯乱したリディの砲撃から、ネェル・アーガマを護り、散ります。
ガンダムにおいて強化人間は絶対に死にますので*1、覚悟はしていました。
マリーダ中尉の冥福をお祈りいたします。
ベタですが、前回のアイスクリームの件は死亡フラグでした。
一つ気になったのは、マリーダが最後に見たのは「時」。
ララァの「刻」とは違うんですね。
最後のアルベルトとマリーダの会話は号泣。
さすがクライマックスって感じです。
リディとアルベルトとはここで決着になり、次回はついにフロンタルとの決着と『箱』の正体が明かされます。
個人的今回の名台詞
アルベルト・ビスト「待って!行かないで、マリーダ!ぼくの……」
マリーダ・クルス「お父さん。困らせないで」
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