ガノタのチラシの裏

ガンダムについて思いついたことを気ままにかいています。

0096/Sect.6 「黒いユニコーン」1〜2 感想

 前回ラストで登場した、「黒いユニコーン」こと「バンシィ」を巡る話です。
 舞台は何と、トリントン基地。
 0083のコウ・ウラキが本編で、初めに配属されていたところです。
 あの事件以後、中央からは忘れられた存在だそうです。


 
 今巻はミネバの会話が面白い。

 ――貧乏人が無理やり宇宙に棄てられたっていう者もおるが、望んで宇宙に行った人間だって大勢いたんだよ。地球の自然が完全に回復するまで、もう戻らんって覚悟してな」

 ――隕石落としをやったシャアも嫌いだな。世のため、人のためと言いながら、本当は人間を好きになったことがないんじゃないかって思える」

 「では、どうすればよいと思われるのです?」
 「そういう聞き方には大人ならではの狡い答え方がある。それがわかるくらいなら、こんなところで、小さな店の主人に収まっとりゃせんってな」

 肝心な文が抜けているので、なんか分かりにくいですが、気に入ったところを抜粋。
 なんでもない人との会話で、考えを深めていくというのは読んでいて面白いところだと思います。
 閃光のハサウェイのボート上の会話のような。
 もう一つの見どころは2でのマーサとの会話です。
 こちらとはまた違った面白さがあります。



 ルオ商会
 これはまた懐かしいというか、マイナーな名前がでてきました。
 ブライトが連絡を取った際に使った名前は「ハヤト・コバヤシ」。
 ユニコーンはΖΖ準拠と思われますので、ハヤトはラカンに殺されています、だからこその名前ですね。



 
 この辺りから、アルベルトのマリーダに対する気持ちがはっきり見えてきます。
 このカップリングは予想できませんでした。
 その点でやきもきするアルベルトは、脇役としてよく書かれていると思います。
 そしてアルベルトは、リディにバナージがカーディアスの子であることを教えます。
 ラスボスにリディというのもありかな?と思い始めたのはこの辺だったと思います。
 結果は・・・



 ベルトーチカ登場
 商会からの連絡役として、ベルトーチカが登場します。
 逆襲のシャアに関しては、アムロベルトーチカとは別れていることから、映画版準拠とわかります。
 後に登場するカイもここで名前が登場します。
 こういうキャラクターを出してくる演出は、やはりうれしいものです。
 もっともバランスがとても難しいので、下手をするとキャラクターが多すぎて話が作れなくなってしまうのですが。


 ミネバとマーサ
 個人的にはSect.6最大の見せ場。
 マーサのフェミニズムに反論するミネバが最高に気持ち良いです。
 とてもアニメでみたい。
 会話だらけで動きの少ない場面ですが、演出し第で最高のシーンになると思います。

 「マーサさん。あなた、お子さんは?」

 「私は、母親というものを知らない。物心がつく前に亡くなってしまいましたから。でも匂いは何となく覚えています。母になった女、母になる資質を持たされた女なら、誰でも漂わせている柔らかな匂いです。あなたからは、それが感じられない」

 「私も見損なっていました。女らしいところもあるのですね」

 ミネバかっこいですね。



 ジオン残党と連邦のMS
 機体がドム・トローペンだったり、貨物船の名前がエバーグリーン*1であったり、0083を意識していると思われる。
 新型のガルスKとかもいますけどね。
 ガルスJにはギレンの野望で世話になったなぁ。

 トリントン基地には顔がバイザー型になったアッシマー、アンクシャが登場。
 「なにかの冗談としか思えない円盤型の飛行形態は、飛行機好きには外道な機体としか映らなかった」というリディの的を射すぎた発言が面白い。
 さらに、配備されているMSにガンキャノンディテクターなどという超マイナーなMSを選ぶ福井晴敏さんのセンスがすばらしい。



 バナージとリディが主義主張をしながら戦うという、いかにもガンダムな戦闘をしつつ、ガルダの出現で2は終了します。
 アウドムラとか、スードリのあれですね。

*1:0083の後期EDタイトル:Evergreen