私が選ぶ機動戦士ガンダムUC名台詞集
なんとなく以前リディのを書いたのが楽しかったので全員分作ってみました。
小説版のものですので、アニメ版では違ったりカットされたりするかもしれません。
ネタバレ注意です。
バナージ・リンクス
「おれ、今朝、君と会う前に、地下鉄から白いモビルスーツを見たんだ。そのあと、バイトに行ったら休みだって言われて、タクヤと一緒に食堂で腐ってたら、君が太陽の近くで漂流してるのを見た。あとのことはよく覚えてないけど、すごくどきどきしたんだ、その時。急に別の世界が目の前に現れたっていうか、それまで隠されていたものが見えたっていうか……。こんな気持ち、初めてなんだ。初めて自分の居場所が見えたみたいなんだ。君が誰だってかまわない。必要だって言ってくれ。一緒にいた方がいいって。そうしたらおれは……」1巻:財団の屋敷でオードリーに)
「いったいなんなんだよ、あんた!偉そうなこと言って、なにもできないんじゃないか。オードリーは戦争を止めるためにあなたに会いに行ったんだ。そういうちからがあなたにはあるんでしょう?なのに、こんなことになってしまって……。どれだけ被害が出たと思っているんです。何人死んだと思っているんです!みんな、ちょっと前までは普通に生きてたんだ。明日の予定があって、来週の予定だってあったんだ。それが……。こんなの人の死に方じゃありませんよ!」(2巻:カーディアスが逃げようとしていると勘違いして)
「何を言ってるんだ。君はオードリーだよ。嘘でも本当でも、おれにはオードリー・バーンだ」(3巻:偉そうな話し方をするミネバに)
「男と見込んだ。オードリーを頼みます」(4巻:地球へ向かうリディに)
「遊びなもんか!自分が死ぬのも、人が死ぬのも冗談じゃないって思うから、やれることをやっているんでしょう!?」(5巻:ココクピット内のダグザに)
「自分で自分を騙して、わかったようなこと言って……!あんたにだってわかってるんだ。こんなのはただの人殺しだってなにも報われるものはないんだって……!だからって……!自分が地獄を見たからって、他人にそれを押しつけていいってことはないんだ!奥さんや、子供を殺された人の痛み……。何が正しくて、なにが間違っているのかなんて……でも、わからないからって……哀しいことが多すぎるからって……。感じる心を、止めてしまってはだめなんだ。おれは、人の哀しさを、哀しいと感じる心があるんだってことを、忘れたくない。それを受け止められる人間になりたいです。……キャプテンと同じように」(6巻:ジンネマンとの殴り合いの中で)
「血なんて関係ない!連邦も、ネオ・ジオンもだ。いまはオードリーを助けることしか考えていません!」(7巻:ユニコーンVSデルタプラス)
「それでも……!」(9巻:マリーダにフロンタルから助けられて)
オードリー・バーン(ミネバ・ラオ・ザビ)
「意気地のない人……!」(1巻:申し出を拒否したバナージに対して)
「そう信じるなら、益のない交渉を続けるがよい。だがジオンの武人は、貴行らほど甘くはないぞ?」(3巻:自分を人質にしたダグザに)
「美味しいコーヒーでした。このコーヒーを飲めただけでも、地球に来た価値はあると言えます」(7巻:逃亡先のダイナーで決意を固めて)
「受け止めなさい、バナージ!」(7巻:リディの手を振り払いガルダから飛び出して)
「私はバナージに賛成です。人々は、それを穀物ではなく、いつもただ可能性だけで養っていた……。昔の詩人が、一角獣(ユニコーン)のことを歌った詩の一節です。信じることで生まれ、養われるもの。バナージが言ったニュータイプの可能性というのは、そういうことでしょう。人は変わっていけるし、変化に耐えられるだけの柔軟な心を持っている。そうでなければ、ここでこうしてみなさんとお話しをする機会もなかったはずです。少し前まで、私たちは互いに殺し合う敵同士だったのですから。この状況を呼びこんだのは、ここにいる全員の、人の力です。その力をよりよく使えば、サイコフレームだって制御できる……とは申しません。その考え方は、物事の本質を効率論に貶めてしまうものでしょうから。でも、私たちは強調しあえた。そのことを忘れず、大事に育てて行けたなら、≪ユニコーンガンダム≫は私たちを守ってくれると思います。……可能性を求める人の心をもって」(8巻:サイコミュについての話をきいて)
「私の知っているシャア・アズナブルは、本当に死んだな」(8巻:フロンタルの演説を聞いて)
「……約束しなさい。必ず戻る、私を独りにしないって」(9巻:出撃前のバナージに)
スベロア・ジンネマン
「同感です。人が人を信じるのは本当に難しい」(2巻:カーディアスとの交渉にて)
「子供だからって、何でも許してもらえると思うな。大人はお前が思ってるより気が短いんだ。知ったつもりになっているだけで、おまえはまだなにもわかっていない。ここで勉強しろ」(4巻:パラオのダウンタウンに連れてきたバナージに)
「上官だから言葉で済ました。貴様はそうはいかんぞ」(4巻:マリーダを噛ませ犬にされたことに対して)
「人間、普通に生きてりゃ、てめぇの面倒を見るだけで精一杯だ。死ぬか生きるかって時は、特にな。口先でもなんでも、声をかけてくれる他人がいるだけありがたいと思え。そうやっていじけてたって、おまえの目はまだ死んでいない。戦う力を残している。一人前以上の男になれる奴だと思うから、おれはおまえを連れてきたんだ。苦しくても、男なら他人様の期待に答えて胸を張れ死ぬまでやせ我慢してみせろ。男の一生は死ぬまで戦いだ」(6巻:砂漠でバナージを元気づけようとして)
「大自然手やつは、人を哲学者にすんのさ」(6巻:砂漠の星空を見ながら)
「こんなのは戦争じゃないと言ったな目を開けてよく見ろ。こんなことが起こるのが戦争だ。主義も、名誉も、尊厳もない。殺す奴がいて、殺される奴がいるだけのことだ。ひと思いに死ねればまだいい。もっと残酷な方法で、生殺しにされた人間だっている。怨念返しの何が悪い。おれたちの戦争は、まだ終わっちゃいないんだ」(6巻:シャンブロのダカール襲撃を非難するバナージに)
「マリィだ。お前はマリィなんだ。そう呼びたかったのに、呼べなかった。おれが臆病だったからだ。またなくすのが怖くて、何も手に入れようとしなかったからだ。帰ろう、マリィ。父ちゃんと一緒に家に帰ろう。……いまさら勝手な話だってことはわかってる。帰る気がないならそれでもいい。一緒にここにいよう。おれはもうなにもなくしたくない。これ以上、なくせるものなんてないんだ」(7巻:再調整されたマリーダに)
「心に、従え。それが、おれからの最期の命令だ」(8巻:マリーダに)
「大丈夫。あの小僧なら切り抜けます。≪ユニコーン≫には、ニュータイプを見分ける機能が搭載されているんでしょうが、本物のニュータイプが、妨害電波ごときで力を失うと思いますか?」(9巻:バナージの心配をするオットーに)
マリーダ・クルス
「正しいか、正しくないかは重要じゃない。彼らにはそれが必要だった。絶望に抗い、残酷で不自由な世界で生き続けるために、子の世界は改善の余地があると信じさせてくれるなにかが必要だった。それを笑うことはだれにもできない。そんなものがなくても生きていける、実体のないものにすがるなんてバカらしい。そう言い切れる奴がいるとしたら、そいつは余程の幸せ者か、世間に関わっていないかのどちらかだ。本当の意味で生きているとはいえない」(4巻:教会でのバナージとの会話)
「でも……“それでも”って言えるおまえは、いいと思うよ……」(4巻:ユニコーンVSクシャトリヤ)
「私のことはいい。バナージ、これからどんな現実に直面しても、自分を見失うな“それでも”と言い続けろ」(5巻:アーガマで目を覚ましたマリーダ)
「アイスクリーム……かな」(9巻:バナージに好きな食べ物を問われて)
「――お父さん。困らせないで」(9巻:最期にジンネマンに)
ティクバ
「でもさ、戦争がなくなったら、父ちゃんたちの仕事がなくなっちゃうよ。他にもたくさん仕事のない人が増えて、もっと困るんじゃないかな」(4巻:機械整備をするバナージに)
フル・フロンタル
「過ちを気に病むことはない。ただ認めて、次の糧にすればいい。それが大人の特権だ」(2巻:ジンネマンの失態に対して)
「シャア・アズナブルは敗北した男です。そして死んだ男でもある。わたしがこんなマスクをつけているのは、死がシャアの名前を伝説にしたと知っているからです。だから道化と割り切ってやれる。生きている彼には興味がありません」(4巻:パラオのペペ総督との会話)
「もし、シャア・アズナブルがいまも生きているとしたら……それはもう人ではなくなっているのではないかな?」(8巻:ジンネマンに真意を問われて)
「いま君が信じている希望、可能性は、いずれ裏切られる。絶望に取り憑かれたニュータイプは、自滅するか逼塞するかのどちらかだ。わたしはそういう例を何人も見てきている。いまならまだ間に合う。わたしと来い。君にもわかっているはずだ。君はもう、君の言う、“みんな”の中には帰れない」(8巻:ユニコーンに乗り込もうとするバナージに)
「自分の想いを他人に完全に伝達できるとしたら、洗脳だよ。アンジェロを壊した時のことを思い出せ」(10巻:生身で現れて)
アンジェロ・ザウパー
「武力のすべてが悪なら、≪ガンダム≫を使った君も同様ということになる。君のせいで、我々は貴重な兵を失った」(4巻:パラオでバナージに対して)
「この時を待っていたよ、バナージ・リンクス……!」(8巻:占領したネェル・アーガマで)
「みんなのために、と言ったな?バナージ・リンクス。奪われた苦しみも知らない奴が、ふざけたことを言う。そのみんなには、このわたしも入っているのだろうな?」(8巻:去り際の含みのある台詞)
「奪わせない。汚させない。おまえは染みだ。真っ白なシーツを汚す染み!消えてしまえ!」(9巻:ユニコーンVSローゼン・ズール)
地球連邦
リディ・マーセナス
「ネオジオンでもやってるんだろ!ジーク・ジオンってさ。ここでいってみろよ。言えよ!ジーク・ジオンって言って、ジオンのお姫様なんだってわからせてくれよ。そうでないと……」(4巻:収監されているミネバに対して)
「すまない。おれは……とんでもないところに君を連れてきてしまった……!なにがあっても、君だけは守る。だからここにいてくれ。おれのそばに……おれを、独りにしないで……」(5巻:『ラプラスの箱』の正体を知って)
「あのときのリディ・マーセナスは死んだ。おれには世界を変える力なんてない。不完全な秩序であっても、変える方法がないならおれはそれを守る。それがミネバを守ることにもなる……」(7巻:ユニコーンVSデルタプラス)
「……そうだよな。おまえはまだ子供なんだ。言っていいことと悪いことの区別もつかないくらい……そんな奴がニュータイプだって言われて、無責任に世界を引っかき回して……!許せないな!」(9巻:ユニコーンVSバンシィ)
「手加減しているっていうのか!?おまえは、どれだけおれを惨めにしたら気が済むんだ!」(同じく9巻:ユニコーンVSバンシィ)
「おまえのせいだ。おまえはおれを否定した。独りにしないでって頼んだのに、おれの手を振り払った。母さんと同じだ。みんな自分の都合ばかり言って誰もおれを助けてくれない。おれを嗤いにきたのか、おまえは!」(9巻:乱入してきたミネバに対して)
オットー・ミタス
「ああ言うしかないのが彼らの立場だ。それにダグザ中佐は、君が思っているようなロボットじゃないぞ?<パラオ>に単艦で攻め込めと言われた時……正直、目の前が真っ暗だった。だがな、ダグザ中佐が言ったんだ。我々はこれを人質救出作戦と考えているって。君のことだ。我々は彼に借りがある……ってな。ダグザ中佐の根気とアイデアがなければ、どうなっていたかわからん。感謝しろとは言わんが、少しは認めてもいいんじゃないかな?人が人に負うべき責任を、ダグザ中佐はまっとうしようとしている。迷いがないわけじゃない。わたしだって、好き好んで寄り道などしたくはないし、本部の命令が正しいとも思ってやしないさだがな、それとは別の話なんだ。この責任ってやつはな……」(5巻:ダグザの言うことが納得できないバナージに)
「あなたには、あなたにしか語れない言葉がある。伝えてあげてください。あなたのお仲間に。我々にそうしたように、心に訴えかけてくださればいい」(9巻:ミネバにネオ・ジオンへの通信を促して)
レイアム・ボーリンネア
「私は政治のことはよくわかりません。しかし息子には、母は正義を実践するために軍で働いていると教えています。怪しげな『箱』に正義があるとは思えませんが、救出作戦となれば話は別です。それで帰れなくなったとしても、息子は納得してくれるでしょう。他のクルーも同様だと思います」(4巻:パラオ攻略戦開始前にオットーに)
「結果に責任を持てないくせに、とりあえずの要求と興味に従って、人を滅ぼすような技術を開発してしまう。人類の悪い癖と言ってしまえばそれまでですが、救われませんね」(5巻:マリーダの状態を知って)
「いいんです。あなたはそれでいいんです。」(8巻:ブリッジへ向かうオットーへ)
ハサン先生
「だってそうだろう。腹のうちすべてが相手に伝わってしまうんだ。嘘を処世の潤滑剤にしている大人は裸足で逃げ出すよ。それに、ニュータイプとオールドタイプという新しい格差も生まれる。しかもニュータイプは宇宙で発生するという。余剰人口を宇宙に追いやって、安穏としている地球居住者(アースノイド)にはたまったもんじゃない。主従が逆転するという話だからな。昔、ある男が言っていたことがある。人の争いが絶えないのは、人類が進化の入口で足踏みをしているからだ。本当にニュータイプになれる可能性があるなら、強化人間の研究は容認されていい。人の進化を自然に委ねていたら、人類は自分で自分を殺してしまう。それはそれで見識ではある。だが……だから、不便でも、いまある力でわかりあう努力をせにゃならん。どちらかがどちらかを屈服させるのではなく、お互いに折り合える妥協点を見つけ出さねばならんのだが……。道は険しいな」(5巻:マリーダについてのバナージとの会話にて)
ミヒロ・オイワッケン
「あたしたちだって、あなたのことを全面的に信用していたわけじゃない。でもバナージくんは信じてた。わかって?あなたは、いちばん裏切ってはいけない相手を裏切ったのよ。それが――」(8巻:占領されたアーガマでジンネマンに)
ダグザ・マックール
「ですが、我々はこれを人質救出作戦と捉えています。我々は彼に借りがある。やりようはあります。確か、この艦はハイパーメガ粒子砲を搭載していましたね」(4巻:参謀本部の命令を受けて)
「自分で自分を決められるたったひとつの部品だ。なくすなよ」(5巻:バナージの心臓を指して)
アルベルト・ビスト
「『ラプラスの箱』が開くとき、地球連邦政府はその終焉を迎える」(1巻:オットーとの問答で)
「なんで……ぼくじゃなかったんだ」(4巻:マーサとの通信を終えて)
「道具なんかじゃない。彼女は……」(7巻:ジンネマンに詰め寄られ思わず本音が出そうになり)
「おまえが元凶なんだ。おまえがすべてを奪った。父親も、『箱』も、マリーダも、みんな、みんな……!化け物め!おまえなんかに誰が助けてもらうもんか!おまえなんかに、おまえなんかに……!」(7巻:バナージの助けを拒絶して)
「誰にも奪わせはしない。必ずこの手に……」(9巻:出撃前に思わず)
「マリーダ!」(9巻:クシャトリヤを確認して初めて名前を呼ぶ)
マーサ・ビスト・カーバイン
「よく見なさい。あれはあなた自身の姿。あなたはまだあのマシーンのコクピットにいる。マリーダ・クルスなんて人間の振りをしていても、あなたの魂はあそこに囚われているのよ。なぜだかわかる?あなたは男の論理の産物だからよ。血を流すことしか知らない男たちが、戦う道具としてあなたを造った。命は女の胎から生み落とされるものなのに、不自然だと思わない?でも、生まれがどうだろうと関係ない。あなたはこうして存在しているのだから。男たちの論理に合わせて、自分を殺す必要なんてないわ。私があのマシーンからあなたを連れ出してあげる。楽しいわよ、外の世界は。そこにはあなたを縛り付けるものはなにもない。自由に自分の力を使うことができるの。あなたほどの力があれば、この世界をデザインし直すことだってできるわ。私と一緒にいらっしゃい。こんな薄暗い場所からは出て、男の論理で行き詰った世界を救ってあげましょう」(6巻:マリーダの再調整)
「プライドで男を殺せるのも女ですものね。どんどんいい女になりなさい。あのバナージ・リンクスを肥やしにして」(7巻:ミネバに言いくるめられ、苦し紛れに)
「女は確かめたいものなの。時間がないときは、特に」(9巻:ローナンに)
「結局、あなたもバカげた男のロマンの信奉者だったというわけね。……呆れたわ(嫌いじゃないわ)」(10巻:すべてが終わって)
ビスト財団
カーディアス・ビスト
「君か……」(2巻:ユニコーンにたどり着いたバナージに)
「“彼女”を救うためにここまで来た……。その気持ちに変わりはないか?“彼女”が背負っているものは重いぞ。救い出すには世界の重みも引き受ける覚悟がいる。それでもいいのか?なら、こいつをもっていけ」(2巻:ユニコーンをバナージに託して)
「恐れるな。信じろ。自分の中の可能性を。信じて力を尽くせば、道は自ずと拓ける。為すべきと思ったことを、為せ」(同じく2巻:ユニコーンをバナージに託して)
「わかるんだ、私には。それが……いまは、とても嬉しい身勝手を赦してほしい。おまえとは、もっと……」(2巻:最期の台詞)
サイアム・ビスト
「フロンティア?冗談じゃない。ここはゴミ捨て場だ」(1巻:リカルド・マーセナスの演説に対して)
「だから、あなた方ニュータイプに事を託したい」(10巻:バナージとミネバに)