第二十八話 「撃つしかないのか」 感想
地味な「エスタルド編」の地味な最終回です。
いまさらですがこのエピソードがこんなにナレーションばかりで進んでいたのは、打ち切りになった影響なのでしょうか?
地味さは変わらなかったと思いますが、もっとキャラクター中心で進めていれば話に入ってきやすくなったように思います。
今回のゲストはミルラ・ドライド。
搭乗MSはガブル。
「ボクは死に対して憧れに近い感情を抱いている」とか言っちゃうちょっと中二なキャラクターです。
これも案外ガンダムにはいなかった、というか漫画的な表現で出てきそうなキャラクターですよね。
デマー・グライフ、ドゥエート・ラングラフ、ミルラ・ドライドはこれまでのガンダムに出てこなかった、と言うよりもいかにも漫画アニメなキャラクターで、ガンダムの世界観に合いにくいキャラクターだったのではないかと思います。
後にSEEDでオルガ・サブナック、シャニ・アンドラス、クロト・ブエルやスティング・オーグレー、ステラ・ルーシェ、アウル・ニーダなどのアニメアニメしたキャラクターが出てきたのは彼らがキャラクターのハードルを下げたからかもしれません。
……ってありえませんね、ただの考えすぎでしょう。
ただどうにもこの手のキャラクター(明確な定義は難しいのですが)がガンダムに出てくるのを私は違和感を感じてしまします。
私も年を取ったということでしょうか……
続いてはロアビィとユリナ。
まじめな話ですし、残りの部分は文句がないのですが、どうにもユリナの致命傷になる傷の付け方のしょぼさが納得いきません。
最初に出たところから死ぬことが分かっているようなキャラクターなのですから、もっとちゃんと殺し方を考えてあげて欲しかったです。
Bパートの死亡シーンはちゃんとしてたのでよかったと思いますが。
ダブルエックス、エアマスターバーストVSガブル。
「運動性ならこっちが上だぜ!」とガブルにつっこむエアマスターバーストですが、装甲の厚さに手間取り返り討ちになります。
本当に活躍しませんね、エアマスターバースト。
ダブルエックスに助けてもらった後では「ガロード、こいつ動きがトロイからって油断するんじゃねぇぞ!」とウイッツ。
……ここ、笑うところ?
その後レオパルドが援護に駆け付け、ガブルを撃破します。
このレオパルドの戦闘シーンはガンダムX全体でもかなり見ごたえのあるものです。
エアマスターバースト……
最後はエスタルドは降伏し、ルクス・ハノアマクが全ての責任をとるという新連邦の勝利で終わります。
結果的にバッドエンドというなんとも後味の悪い感じです。
というよりも話の出来の良さを地味さが全て殺しているような気がします。
ガンダムXと地味さはやっぱり切っても切り離せないもののようです。
今回の名台詞:
ウィリス・アラミス「みなさんともこれでお別れか……
そうだ!
ルクス、フリーデンのみんなを招いて会食を開いてはどうだろう?」
ルクス・ハノアマク「他にやらねばならぬことが数多くございます。
……ですが、ご命令ならば異議を唱える者はございません」
ウィリス・アラミス「なら、国家主席として命令する」
ルクス・ハノアマク「かしこまりました。
ただし、ウイリス様、『命令』という言葉は使うべきところでお使いなさいませ」
オチにつながるいいセリフだと思います。