第二十三話 「私の夢は現実です」 感想
気がつけば、前の話の感想を書いてから一か月経ってしまいました。
ゾンダーエプタ編の起承転結の「転」にあたるところであり、ガンダムXの中で私が一番好きな話です。
フリーデンクルーが新連邦につかまるところからスタート。
ガロードのカトックに対する皮肉は今回の名台詞。
ガロード「おい、おっさん。
念願の復讐を果たした気分はどうだい?
これで満足なんだろう?
おっさんよぉ。
ええ?どうなんだ?
なんとかいってみろ!」
「俺よう、最近ようやくわかってきたぜ。
大人ってのはどういうものか。
戦争だ、連邦だ、ニュータイプだ。
生まれる前のごたごたに、こっちを巻き込んでひっかきまわす……
……それがあんたたちの言う、大人なんだろう!」
口調はチンピラですが、これまでの22話を総括したガロードの感想のようになっています。
前回のティファの絵のせいで迷いが生まれているため、何も言えず(言わず)にガロードを殴ることしかできないカトックが印象的です。
このシーンは好きですね。
場面は代わってアイムザットと審議会のシーン。
会話の中で新連邦のトップであるフィクス・ブラッドマンの名前が登場し、本人もちらっと出演。
やはり、宇宙世紀のギレンやジャミトフ等と比べると、(作品自体の知名度もあるのでしょうが)組織トップの知名度がいま一つだと思います。
果たしてどれだけのガノタがブラッドマンの顔と名前が一致するのか。
後に出てくる、ザイデル・ラッソも同様です。
さらに場面は代わってアイムザット、ジャミル、ティファの会食シーン。
今度はアイムザットからメタ発言ともとれる台詞が登場。
アイムザット「……君と私は根ざしているものが同じなのだ。
君と私は同じ世代だ。
多感なあの時期にあの戦争を体験した者は『ニュータイプ』という言葉の呪縛から逃れることはできんのだよ」
いわゆるファーストを見て育った世代ともとれるため、ガンダムXを考察する際には結構引用されたりします。
またニュータイプを『ガンダム』に置き換えて、商品としてのガンダムを……と語らられることも多いです。
ここではそういった解説は省きます。
そこにカトックが登場し、
カトック「無一文の男が大富豪に、『お前なんかに金のない悔しさがわかってたまるか』って言った。
大富豪は何て言ったと思う?
『そっちこそ金のある苦労がわかってたまるかぁ!』って答えたんだってよ」
アイムザット「……皮肉のつもりか」
ジャミル「力を持つ者と、それを利用しようとす者、どちらも同じ愚かさを秘めている、か」
カトック「さぁねぇ」
との会話。
ここまで含めてメタガンダムかもしれませんね。
会話内容が皮肉が利いているものが多く、濃いAパートでした。
でも子供は楽しめないかもしれません。
Bパートではついに、カトックが動き出します。
上記のガロードに言われた言葉を頭のなかで反芻し、
カトック「満足なもんかよ、それに俺はおっさんなんかじゃねぇ」
後半はちょっとかわいいですが、カトックの意識が変わってきました。
そしてティファとの会話で決意を固めたカトックはついに離反。
ガロードと向き合い、カトックの名シーンです。
カトック「お前さん、未来を変える気、あるかい?」
ガロード「未来を……だと……?」
カトック「あのお嬢ちゃんが言ってたぜ、もうお前さんとは会えないと。
ガンダムはあのコンテナ船の中だ。
アイムザットのやつ、ニュータイプ研究所の手土産にするらしい」
ガロード「ニュータイプ研究所?」
カトック「やるのかやらねぇのか、どっちなんだ!?」
ガロード「……なぜ俺に手を貸す?」
カトック「未来なんかが見えてたまるか。
ニュータイプとやらの鼻を明かしてみたい、それだけだ」
今だったらツンデレとか言われそうですね。
こうしてコンテナ船に潜入したガロードとカトックはダブルエックスの奪取を目指すのでした、というところで今回は終了。
繰り返すようですが、たしかにガンダムXの世間の評価は微妙ですし、私も特別好きというわけでもありません。
しかしこのエピソードだけはガンダムの全作品の中でもかなり面白い話だと思っています。
次回はついにダブルエックスが機動。
予告の
というのも好きです。
とはいえ、私の中でガンダムの乗り換えで一番テンションが上がるのは残念ながらこれではなく、シャイニングガンダムからゴッドガンダムなんですけれども。
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