0096/Final Sect 「虹の彼方に」3 感想
ここから下巻に入ります。
私的には、この先はエンディングみたいなものです。
もう種明かししか残ってませんからね。
ブライト・ノア
前回のラストで「カフカスの森へ」やってきたブライト。
ここに至る過程がカイ・シデンからの連絡であることがわかります。
ブライトのカイの評価が『ジャーナリストとしての才覚は、世間の評価より推し量るよりない』というのはなんとも。
実はジャーナリストとしての活動はよく知らなかったりします。
ロンド・ベル結成のアムロが偽物としたのはカイでしたっけ?
それにしてもグリプス戦役で自分が使ったコロニーレーザーを止めに来るというのは、何とも皮肉なポジションです。
ラプラスの箱
ではネタばらしです。
『ラプラスの箱』の正体は、『宇宙世紀憲章の碑文』でした。
オリジナルは砕け散ったとされていましたが、サイアム・ビストが回収していたのでした。
なにが問題だったのかといいますと、条文がレプリカよりも一章多く、そこに
将来、宇宙に適応した新人類の発生が認められた場合、その者たちを政府運営に参加させることとする。
などの文が加えられていたことです。
リディが言うように、ジオン・ダイクンがニュータイプ論を提唱するまでは何でもなかったものが、その出現により連邦を脅かすものに代わってしまったということですね。
ジオンの語ったニュータイプ論はイデオロギー的な意味合いが強く、碑文の新人類の発生は厳密にいえば、アムロやララァのような能力を指すと考えられますが、いずれにせよ、それが現在存在してしまっている以上、連邦にとっては大問題となります。
インパクトは薄いかもしれませんが、『ラプラスの箱』の正体としては納得のいくもののように思いました。
なによりガンダムとは切っても切り離せない問題である、ニュータイプの出現が鍵になっているのがいいですね。
フル・フロンタル
インダストリアル7でフロンタルとの決着です。
単行本ではカットされていますが、連載版のあった挿絵の半壊状態のシナンジュが結構好きでした。
そして、ミネバの口から語られるフロンタルの正体。
「シャアに似せて作られた強化人間」
……しょぼ。
納得というよりも、まぁこんなもんでしょう、という感想。
フロンタルに関しては見た目以外で求心力があったのか、疑問です。
個人的には出ると思っていた、ナナイ・ミゲルやライル艦長など、シャアを知っている人間からすると、魅力のない人間に映るのではないでしょうか。
また、キャラクターとしての人気はあるんでしょうか?
私自身はフロンタルがあまり好きでないのですが。
空っぽのキャラクターであったというのが答え。
行動を見ていても「逆襲のシャア」をシャアが生き残ったとしてもとらなかったであろうと私が考える行動ばかりですので、本人と言い出さなくて良かったとおもいます。
もっとも個人のシャア感によるところもあります。
しかし一人歩きしているキャラクターを語るは難しいですね。
私の考えるシャアとフロンタルについて書いたのですが、まとまらなくてカットしました。
フロンタルについて、一つ気になるとすれば、フロンタルがモナハンをどう思っていたのか本編に書いていなかったことですね。
バナージ・リンクス
気がつけば完璧すぎる主人公になってしまった気がするバナージ。
生身のフロンタルを殺すことをためらったところが最後に残った人間らしさでしょうか。
Ζガンダムラストの「宇宙を駆ける」のバイオ・センサー起動時のカミーユのように人の意思を吸収していきます。
この時の台詞もΖのオマージュです。
一般にニュータイプとしての能力が最も高いとされているカミーユと同じことができていることから考えると、バナージはカミーユに匹敵するニュータイプ能力を持っていることになります。
NT-Dによる補正もあるので正確なところはわかりませんが、肉体と精神が無事なままでは終わらないというのは、能力の高いものの宿命でしょうか。
援護にきたリディとともにビーム・ライフルでシナンジュを撃ちぬきフロンタルを倒します。
地球に降りてから急に強くなった感のあるバナージ、よく考えれば、一か月しかたっていないんですよね。
成長速度はウッソ以上でしょうか?こちらも、NT-Dによる補正もあるので正確なところはわかりませんが。
そして、メガラニカ、ミネバをまもるため、コロニーレーザーに対してサイコフィールドのバリアーをユニコーンで張ろうとします。
アクシズを押し返すという離れ業をやってのけたサイコフィールドですが、レーザーを受け止めるのと、隕石を跳ね返すのはどちらが大変なんでしょう。
途中のモナハンからマーサらへの提案は面白いです。
単純に戦いで終わらないというのも、ファーストや、逆襲のシャアらしくていいですね。
このあとエピローグがあります。
個人的今回の名台詞
ミコット・バーチ「男の独りよがりなんて……!」
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